株式会社多聞

株式会社多聞

株式会社多聞は、1996年に創業した
測定・分析器の開発・製造を行う会社です。

株式会社多聞(以下、多聞)は、知名度は高くありませんが、設立以来30年近くにわたり、様々なものを「測り」続けてきました。
多聞には営業や広報部門は存在せず、お客様からの「こんなものを測りたい」「使っていた測定機が廃盤になったので代替品を作って欲しい」といった要望に応えるうちに、いつの間にか歴史を重ねてきました。
特に、工場での生産機に取り付ける塗布・研磨量制御や出荷検査装置においては、測定が難しい対象や高精度な測定に数多く対応してきました。
一度納品した工場から新たな要望をいただくことも多く、例えば、厚さを測れるかデモを行い、生産機に厚さ測定機を設置、その後水平展開し、欠陥検査機の開発依頼を受ける、といった流れで多種多様な工程や製品に対応してきました。エンドユーザー様によっては、5種類以上の案件(亜種やバージョンアップを含まず)となるケースもあります。

様々な実績

多聞の最も目立つ実績はシリコンウェーハ関連の厚さ測定で、「多聞は何をしている会社?」と聞かれたときには、「厚さ測定機を作っています」と答えることが多いです。
しかし、お客様の要望に応じて、ユニークで畑違いの製品も手がけてきました。

例えば、フランスのデザイン事務所からの依頼でミラノの展示会の企業ブース用システムを作成したり、色のサンプルを測定してインキの配合比を計算するシステム、試薬の比色判定システム、土壌のミネラル含有量を測定する携帯測定機なども開発しました。
また、大学からの依頼で、自転車にカメラを取り付けて走行しながら撮影し、位置と画像を紐づけるシステムも手がけました。これはGoogleストリートビューの登場する約5年前の案件です。

主力である厚さ測定システムでも、工場の既存環境に適応させるために通信仕様や出力形式のカスタマイズに積極的に対応してきました。
イーサネット、PLC、電圧、OK/NG判定後のDIO、BLEなど、多様な通信方式で納品しています。
測定対象の状態に応じたカスタマイズも行っており、ウェット環境、遠距離からの測定、高速移動体の測定、5層を超える多層の同時測定などの経験があります。

測定手法としては、レーザ光源、白色光源、音波、共振など多岐にわたります。
光学的測定では、使用実績のあるレーザ光源や分光器の種類も豊富で、入手可能な全てのレーザと分光器に対応したいという意気込みでいます。
厚さ測定以外では、光ファイバやレンズ、LEDといった光学コンポーネントの評価システムやイムノクロマトグラフィーの判定システムの納品実績もあります。
また、工場の通信やデータ集計のみを請け負うこともあります。

製品紹介

ここでは、多聞の直近2年の主力製品を紹介します。
主力製品であるLSI-TG/WSI-TGとFALCOシステムは光学式厚さ測定システムです。
LSI-TGは波長可変レーザ、WSI-TGは白色光源と分光器を使用したポイント分光による厚さ測定システムです。
リアルタイムで厚さの変化を測定し、生産ラインに組み込まれることが多いです。
一方、FALCOはハイパースペクトルカメラでサンプル全体を俯瞰して厚さの面内分布を測定するシステムです。
高速で測定でき、SOIシリコンウェーハの出荷検査やパターン付きウェーハのダイシング前検査工程に導入されています。

各システムの特徴と相違点

非接触・非破壊であることが共通の特徴で、光を測定媒体として使用することでサンプルへの影響が少ないです。
各システムの相違点としては、LSI-TGは1m以上離れて測定し、光軸調整の治具がやや大きくなる傾向があります。
レーザの強い透過力と高い波長分解能で、厚いサンプルの測定が得意です。
WSI-TGは近距離からの測定が得意で、システム全体がコンパクトです。
装置組み込みのほか、卓上測定器や携帯測定にも適しています。
使用できる波長幅が広く、薄いサンプルの測定も可能です。
FALCOはフープローダや搬送ロボットと組み合わせて大規模なシステムとして納品されることが多いです。

デモ測定はこちらから

多聞では、測定デモの要望にも可能な限り対応しています。
比較的小型のWSI-TGベースの測定環境は貸出可能です。
ただし、LSI-TGとFALCOは大型システムのため、サンプルを持参いただくか、お貸出いただいての測定対応となります。
デモスペースはオフィスに併設された簡易クリーンブースで行いますので、納品システムと同等のクリーン度はありません。
デモを希望される方は、これらの制限をご理解いただけますようお願い申しあげます。