LSI-TG
LSI-TGは波長可変レーザを媒体とした、サンプルの厚さを測定する装置です。
媒体が光ですので、基本的に非接触・非破壊(感光材など光で変質する材質は除きます)です。 光源としてレーザを使用していることから透過力が強く、比較的厚いサンプルも測定できます。 実績では光学厚さ3mm程度のサンプルを測定しています。 測定のリアルタイム性も高く、生産中の制御に多く採用されています。 既存の生産ラインに組み込まれることが多いため、多様な出力形式にカスタマイズ可能です。 もっとも多く納品されているのはOK/NG判定や加工終了判定をPLCに向けて出力するシステムで、PLCではなくDIOで出力したり、厚さを電圧で出力するケースも考えられます。
特長
- 非接触・非破壊での測定
- 1m以上離れた対象を測定
- 生産ラインに最適
- 最厚数mm(光学厚さ換算)の層を測定可能
- 毎秒数千回の高速測定
- Siウェーハではドープ濃度の高いサンプルにも対応
LSI-TGはレーザを使用した非接触・非破壊でのリアルタイム厚さ測定システムです。 非接触でリアルタイムに厚さを測定するため、ウェーハやフィルムの製造過程への組み込みに適しています。 測定媒体にレーザを使用しているため、高い透過力を活かした厚物測定が可能で、また、長いワーキングディスタンス(以下、WD)での測定もできます。 実績では厚さ約800umのSiウェーハを1m以上離れた点からリアルタイムに測定しています。 一方、高速に波長を変動できるレーザの波長変化幅は可視光測定に比べて狭いため、薄いサンプルには向いていません。 そのため、Si換算で10um以下は測定できません。 塗布層などの薄い対象を測定する場合は弊社WSI-TGをご利用ください。
LSI-TGはリアルタイムに厚さを測定できることから、出荷検査よりも生産管理に使用されることが多いです。 1m以上のWDで測定できるため、生産機や搬送装置の上空などにプローブを設置して測定できます。 特にSiウェーハのリアルタイムな生産管理用厚さ測定としてはLSI-TGが世界で最初(弊社調べ)のシステムで、多くの納品実績と経験があります。
ハイドープサンプルへの対応もLSI-TGの強みです。 一般的にドーパント濃度が高くなると消衰係数が上昇し、光学的を含む電磁気的厚さ測定が困難になります。 一定以上のドーパント濃度では接触計などを使うのが一般的になりますが、接触式では静止測定じゃないとサンプルにダメージを与えるリスクが増加します。 しかし、LSI-TGは強い透過力の光を使うため、消衰係数が高い環境でも僅かに透過する光を拾い上げ、強い表面反射を高レベルにキャンセルする独自の工夫と合わせて、通称P++と呼ばれる高濃度ドーパントのSiウェーハでも厚さを測定できます。
システムは制御用PCとコアユニット、プローブで構成されています。 制御用PCとコアユニットは各3Uの19インチラックで、合わせて6Uの19インチラックとプローブが典型的なシステムの納品姿になります。 プローブは1m離れたサンプルで反射して返ってきたレーザを受光するため微動調整可能なステージに組み付けます。 そのため100x100x150mm(操作つまみ含まず)程度の大きさのステージに円筒状のプローブを取り付けた大きさになります。 ただし、これは長いWDに対応するためのもので、短いWDで使用する場合は円筒状のプローブと簡易的な固定治具でも使用できます。
LSI-TGのカスタマイズは、WDや設置環境に合わせたプローブ治具のほか、出力形式やインタフェースが主なものです。 工場の既存装置に取り付けられることが多いため、生産機のインタフェースに合わせ込むカスタマイズがほとんどです。 例えば、加工開始信号を受けて厚さの監視を開始し、加工レシピ切り替え厚さや加工終了厚さになったらPLCやDIO経由で生産機に信号を送るといったことを行います。
デモ機の貸し出しも行っています。 また、測定難度が高いサンプルについては弊社でお預かりして測定レシピの検討を行います。 厚さを測定するシステムを検討している方、特に生産ラインに組み付ける厚さ測定機を欲しい場合、対象層が光学厚さ(屈折率x実厚)3um~5mmの範囲で両面鏡面でしたらLSI-TGで測れる可能性が高いです。